春らんまんの桜の季節は、いつもあっという間に過ぎ去ってしまうものですが、
限られている期間だからこそ、毎年魅了されてしまうのかもしれません。
そんな期間限定の桜の季節のごあいさつによく登場するのは、桜の塩漬けを使った
「桜のバスボム」です。
贈られた女性は、一見、「和菓子?」という表情をされるのですが、
いつもの入浴に「桜」を持ってゆく特別感を喜んで頂くことが多いです。
浴槽でシュワシュワ~っと溶けながら、桜の花びらがまるでバレリーナのように踊りだす可憐さは
見ていて全く飽きません。
お祝いの席にふさわしい桜茶
アロマクラフトが趣味のひとつでもあるので、ちょっと変わった使い方からご紹介しましたが、
やはり王道は、「桜茶」です。
お湯呑茶碗の中で可憐な花が一輪咲いたような、
「日本の春・美・慶び」がつまっているような華やかさを持つ「桜茶」。
その雰囲気から結納などのお祝いの席で大切に出されてきました。
「お茶を濁す」「茶々を入れる」という表現があるため、お茶は使わず、
「花開く」ことから「桜茶」、 「よろこぶ」ということから「昆布茶」というように縁起担ぎの要素もあります。
桜茶に使われる桜は、見た目も艶やかな「八重桜」
ぱっと目を引くピンク色の「八重桜」は、塩と梅酢に漬け込まれ、「桜の花の塩漬け」になります。
お美味しい桜茶の淹れ方
・塩漬けの桜の花を一輪取り出す。
・ぬるめのお湯に5分ほど浸し、塩抜きをする。
・少しづつ開いてくる花びらをお箸などで優しく揺らし、花びらの奥に詰まった塩もお湯の中に溶かす。
・お湯呑茶碗に熱湯を注ぎ、塩抜きした桜の花を浮かべます。
・塩抜きした際のぬるま湯をティースプーン1杯程お湯呑茶碗に加えて、出来上がり。
桜の香りの正体と効能
梅と違って鼻を近づけてもかすかに香る程度の桜の香り。
桜茶や桜の紅茶、桜餅の葉っぱなどは、その独特な香りから「桜」ということがすぐに分かります。
あの独特の香りの正体は、「クマリン」。
桜の花や葉っぱを塩漬けすることで出てくる成分です。
リラックス効果や抗菌作用、二日酔い、頭痛にも効能があります。
春のお菓子を一層華やかに
桜餅や羊羹の上に乗せたり、パウンドケーキやゼリーに入れてもとても風流です。
日本中が淡いピンク色に染まる桜の季節が過ぎると、ツツジや菖蒲などが目に留まる初夏が巡ってきますが、
桜茶は、いつの季節でもどこでも「お湯呑茶碗の中で日本の美や幸せを愛でられる飲み物」ではないでしょうか。